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2021.02.12

現役Z世代女子に聞く、エシカルファッションのためのポップアップストア「CLOSETtoCLOSET」を立ち上げた理由

Text By AIR編集部

 世界各地で広がりつつある「エシカルファッション」。地球環境への配慮、サステナビリティの取り組みといった流れから、日本も含め、世界中のZ世代間でも注目されています。そもそも「エシカルファッション」とは?「エシカル」という言葉には「倫理的・道徳的」といった意味があります。単に「環境に優しい素材を使いましょう」ということだけではなく、例えば、ファッション産業の従事者の労働環境、人権問題への配慮、アニマルフレンドリー(製造過程で動物の皮革を使用しない、動物実験を行わない)などの領域が、エシカルファッションの取り組みを通じて改善していく領域と言われています。

 

 今回は、ポップアップストアに特化し、エシカルファッションを日本で広めている「CLOSETtoCLOSET」という取り組みに着目。現役Z世代女子でありながら、同取り組みを立ち上げたenergy closetの代表を務める三和 沙友里氏(以下、三和氏)にCLOSETtoCLOSETの特徴と今後の展望についてお話を伺いました。

まず、CLOSETtoCLOSETを立ち上げたきっかけは何でしょうか?

 

三和氏:

 私が大学在学中の頃、ちょうどファストファッションが日本で流行し出して、そこからファッションを好きになりました。しかし、ファッション産業のビジネスモデルや製造過程についていろいろと調べていくうちに、想像を遥に超える大量の廃棄問題が地球に多大な影響を与えていることを知り、怒りを覚えたのがきっかけです。

 

なるほど、「エシカルファッション」を知ったのも大学在学中ですか?

 

三和氏:

 そうですね。大学に入学して間もない頃、自分のお金でお洋服を買い始めた時期に初めてエシカルファッションという言葉に触れました。また、エシカルファッションとは直接関係ないですが、同じく在学中にカフェ事業を手掛ける飲食企業に参画し、カフェのフードロス問題を改善するプロジェクトにも携わりました。そして大学卒業後、結婚式のパッケージを販売する企業を経て、改めて、「エシカルファッション」というものについて自身で考えを深めていく中で、今の取り組みに至りました。

 

CLOSETtoCLOSETの仕組みについて詳しくお聞かせください。

 

三和氏:

 CLOSETtoCLOSETは、2019年にファッション分野において『カルチャーとエシカルの両立』というコンセプトをもとに立ち上げました。主な取り組みとしては、月に一度ポップアップストアを都内で開催しています。イベントの仕組みとして、ご来場のお客様には、事前にPeatix (ピーティックス)というイベントチケットを販売するサイトで参加チケット(3,000円)を購入いただき、ご来場の際は自身の不要となった洋服を3着ご持参いただいています。そして、会場に集まった品から代わりに3着をお持ち帰りいただけるという仕組みを運営しています。

 

 ポップアップストアに特化した理由としては、私たちの仕組みがストックビジネスではなく、在庫管理のコストが低い点が強みだからです。そのため、開催場所を毎回変更しながら様々な地域と触れあい、ディスプレイなどを工夫しながら、お客様とコミュニケーションを取っていきたいと思っています。運営に関しては、基本的に私一人で行っていますが、開催当日はコーディネーター、クリエイティブ、集客など、それぞれ手伝ってくれているメンバーとともに運営しています。

ポップアップストアの様子(公式Instagramより)

そもそもなぜ「物々交換」にこだわっているのか、そして、安定的に古着を仕入れるための工夫についても合わせてお聞かせください。

 

三和氏:

 古着に値段をつけて買い取ると、やはり流行に左右され、どうしても手に取ってもらえない服があるなと思っています。ですので、お客様にはお財布と相談しながら選ぶのではなく、直感や感性を信じてお洋服を選んで欲しいと思ったのと、そのことが洋服の循環をつくっていけると思い、現在の「服の交換」という形になりました。

 

 また、仕入れを確保する工夫に関しては、ご来場のお客様に最低3着の洋服を持参いただいていることと、中には3着以上のお洋服を持ってきてくださる方もいます。他には、映像制作会社などの企業から、使用しなくなった衣装を頂くことも多いです。そして、そのままショップに並べられるものとリメイク後に販売するものを選定しているため、常に良い在庫状態を保てられていると思います。実際にショップを見ていただくと、着なくなったお洋服を集めているにも関わらず、実は素敵なお洋服ばかりだと気付いていただけると思います!

Peatix (ピーティックス)でも集客を実施

では、いわゆる「ファンコミュニティ作り」について、エシカルファッションに共感してくれる新規のお客様をどのように集客していますか?

 

三和氏:

 現在はインスタグラムを中心に情報発信しています。情報発信に対する工夫という意味では、CLOSETtoCLOSETの仕組み自体をわかりやすくして、インスタグラムの投稿画像や簡単な説明文だけでお客様にエシカルファッションだということを理解し体験してもらえるようにしたことが、お客様にここまで共感してもらえているポイントだと思っています。また、インスタグラムへの投稿はできるだけCLOSETtoCLOSETのリアルを伝えられるよう、お客様から許可を頂いた上で投稿画像をシェアし、ショップの様子を動画に撮って投稿するようにしています。その他には、参加チケットを販売しているPeatix (ピーティックス)も集客に活用しています。

 

さいごに、これまでCLOSETtoCLOSETの取り組みを通して、お客様のサステナビリティやエシカルファッションに対する考え方、購買行動の変化や何か気づいた点はありますか?また、今後の展望も合わせてお聞かせください。

 

三和氏:

 そうですね、お客様の中ではエシカルファッションを知っていても、いざ行動するには情報が少なく、また、高価なものが多いためハードルが高い印象があるようです。そのハードルを少しでも低くするために、私たちの取り組みの特徴である「物々交換」が一つのアプローチではないかと思っています。より手軽に「エシカルファッション」というものを体感できたという感覚を参加いただいた多くの人に持ってもらえていると思います。また、手放しきれないアイテムを人に届けるなら、と手放せることは、お客様によりファッションを楽しむ一つの手段となっているのではないかなと思います。その他にも、古着と言えばアメカジやビンテージというイメージを持っておりこれまで挑戦できなかった方でも、私たちのポップアップショップに訪れ幅広いアイテムと出会えたことでチャレンジできたという声もいただいています。

 

 今後は、さまざまな地域での開催や、企業様とのコラボレーションなどに取り組むことを通じて、すでにある素敵なお洋服達に対して、その良さをどのように再定義し伝えていくかということを考え続けていきたいです。

 

まとめ

 

 フリマアプリのようなウェブ上で完結できるサービスに対し、CLOSETtoCLOSETでは、実際に会場に足を運んで初めてどんな洋服に出会えるかが分かる、そして値段を気にせずに気に入ったものと物々交換ができる点を特徴としています。様々なデジタル体験が溢れる中では、この「ワクワク感」が消費者にとってある意味新鮮かもしれません。ファッションに対する価値観が多様化するいま、二次流通市場においてもフリマアプリ以外に、CLOSETtoCLOSETのように既存の「古着屋」を再定義していくような新しい取り組みが出始めています。引き続き、注目していきたいと思います。

energy closet

三和 沙友里(みわ さゆり)

 

 大学に入り、自分のお金で洋服を買う様になったころからエシカルファッションに興味をもつ。大学時代には地元千葉を拠点としたSocial Aet Laboというチームをつくる。まちの子供達がつくったアート作品を街に残し、マルシェ会場をつくるクラウドファンディングを達成。その後、株式会社CRAZYにでカフェ事業に参画し、カフェのフードロス問題の改善に取り組む。日本大学理工学部を卒業後、株式会社アールキューブに入社し、営業部にて会費制結婚式のパッケージを販売。その後退社し、2019年終わり頃、energy closetを立ち上げる。

 

CLOSETtoCLOSETの公式インスタグラム:

https://www.instagram.com/__eneclo/

 

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https://closet2closet.studio.site/

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