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2018.05.24
スクロール360 EC企業向けにコンビニ受け取りサービス開始、1件450円と安く
スクロール子会社でソリューション事業を手がけるスクロール360は5月9日、ネット販売企業向けのコンビニエンスストア受け取りサービスを開始した。消費者は利用企業の通販サイトで購入した商品を、全国のファミリーマート約1万6000店で受け取ることが可能となる。送料を宅配よりも安く設定しており、さらには小規模なシステム改修で自社通販サイトにコンビニ受け取りが導入できる点もメリットとなる。
サービス名は「コトリ」。消費者が利用する際は、まず通販サイトにおいてコンビニ受け取りで注文。スクロール360が受け取り番号と案内メールを送信し、店舗に商品が到着後、消費者は店内の端末ファミポートを利用して受け取る。ファミポートで代金を支払うことも可能だ。
同社の鈴木康晴営業部長は、新サービスを開発した理由について「コンビニ受け取りは消費者からのニーズがあるにも関わらず、導入しているネット販売事業者があまり多くない。導入へのハードルを下げることで、ラストワンマイル問題を解決する一つの手段を提供したいと考えた」と説明する。
荷物を消費者の自宅近辺のコンビニに届ける場合、ネット販売企業からすると、通常の宅配と変わらない運賃がかかる上に手数料も発生する。さらに、ショッピングカートにコンビニ受け取り機能を追加すると、カートとの連携などシステム連携や改修にかなりの費用がかかる。そのため、中小のネット販売企業が導入するにはハードルが高いのが実情だ。
今回のサービスでは、送料は450円、代引手数料は200円(初期費用1万円、月額費用2000円、いずれも税別)に設定。配送地域に関係なく、全国どこに届けても一律の運賃を採用したのが最大の特徴となっている。消費者が注文した後は、同社が消費者とやり取りするため、ネット販売事業者は受け取り方法としてコンビニ受け取りを追加するだけ。カートの連携などする必要がないため、システム改修費用が安く抑えられる。カートへの地図連携サービスAPI連携を行うことも可能だ。
自社サイトだけではなく、ヤフーショッピングなど一部仮想モールや、電話注文などにも対応できるようにした。商品は同社が運営する、浜松市内の物流センターから出荷される形になることから、自前で契約する場合に比べて、送料面でもメリットが生まれる。
導入形態としては2通りあり、「DC型」は同社の物流サービスを利用している企業向け。対象となるコンビニ受け取り出荷分を自動で振り分けし、受け取り店舗に出荷する。一方、「TC型」はネット販売企業の出荷場から配送する場合。対象となる荷物をスクロール360の物流センターに横持ちで発送。その後、センターから出荷される仕組みだ。TC型は、送料に加えて横持ちの費用も発生するが、それでも「コストメリットは生まれるのではないか」(鈴木営業部長)という。リードタイムは、DC型が2~5日、TC型はそれに横持ちの配送日数がプラスされる。
鈴木営業部長は「すでに当社のクライアントにも案内しているが、非常に反応は良い。コンビニ受け取りを導入することで『サービスレベルを上げたい』という企業だけではなく、『物流コストが上昇してどうにもないので、大手宅配事業者に頼らない形で少しでも下げたい』という企業もある」と話す。
目標となる導入企業数などは明らかにしていないが、鈴木営業部長は「コンビニ受け取りができるサイトの数を増やして、受け取りの選択肢の一つとして消費者に認知されるようにしていきたい」と意気込む。