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2018.10.01

【2019春夏パリ ハイライト4】イエロー、グリーン、ピンク、レインボー…カラーは自然由来のものが主流に

 2019春夏パリコレクションでは、自然の色からインスパイアされたようなきれいな色や手仕事もポイントになっている。白や黒とともにあらわれるイエローやグリーン、ピンクなどの色と、レインボーカラーやグラデーション。それとは反対のシルバーなど未来的な色もアクセントになっている。また、自然から発想した色をさらに強調するとともに、コレクションとストリートの境界線がなくなりつつある時代性を反映するように、庭園や中庭などの屋外や、外からも見える会場や外からの光が差し込む会場でのコレクションも目立つ。

イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)

画像:ISSEY MIYAKE

 「イッセイ ミヤケ」は新しいディレクションや次のステップとも呼べそうなコレクションを発表した。Traces of Handsをテーマに、ねじる、丸める、揉む、織る、伸ばすなど、「自遊」自在に形を変化させることができる布「DOUGH DOUGH」を提案した今シーズン。自然の美しさやアフリカなどの根源的な力強さを手描きで表現したようなプリントやひび割れた大地を思わせる素材、アクションペインティング、木目のような柄などを使った、シンプルでありながらもプリミティブなデザイン。そして、アフリカやインドのように布を巻き付け、ひねり、形作られた服たち。その表情は、かつてのツイストなども思い出させるが、形は自在に変化するという。形を変えるヘッドピースとステージで形を変えていく演出なども今回のテーマを象徴しているよう。テクノロジーだけが際立っていないことアイコン的なものをあえて入れていないように見えることなども新しい方向性を示しているのだろうか。着る人に自由を残したデザインは一枚の布を駆使したイッセイ ミヤケの原点ともいえるもの。だが、テクノロジーの進化と宮前の手にかかれば、その可能性や広がりに終わりはないようだ。

リック・オウエンス(Rick Owens)

 「リック・オウエンス」はパレドトーキョーの中庭でスペクタクルなパフォーマンスを見せた。たっぷりとした布を自在に操る、彫刻的なデザインは今回も健在だが、アイウエアをかけたモデルが着る服はデフォルメされたような、大きな襟や袖をつけたデザインは、まるで昆虫のよう。三角形の布で構成したコートやワンピースなどは建築的で、ヘアのようなフリンジを乗せたワンピースやドレス、服を解体し、再構築したようなミニも目を引く。木で出来た巨大なオブジェに火をつけ、燃やしてしまうという演出も、パワフルなデザインをさらに加速させているように見えた。

「リック・オウエンス」2019春夏コレクション

イーチ×アザー(EACH × OTHER)

 「イーチ×アザー」は未来的なムードと自然の創り出す美しい色が共存するコレクションを発表した。ブルーのグラデーションカラーのジャケットやピンクのスーツ、シルバーのフリンジをつけたスポーツウエア、メタリックなドレープドレス。そして、レインボーカラーのライダースやドレス。レインボーカラーのパンツにもメタリックなフリンジがついている。メッセージ性よりも、未来的なムードや美しさ、軽さなどが際立ったコレクション。

シクラス(CYCLAS)

 「シクラス」も自然を感じさせるコレクション。中庭の美しい景色が見える会場に現れたのは袖無しのジャケットとレースのスカート、太陽の光を表現したような、グリーンやブルーのチェック、ピンクのジャケットやブルーのコート、イエローのトップスとグリーンのボトムス。異なる大きさのドットをつなげたデザインなどもあくまで軽く、ナチュラル。女性の強さや知的なムードと自然の美しさが共存している。

クリスチャン ワイナンツ(Christian Wijnants)

 「クリスチャン ワイナンツ」は、ハイテクときれいな色、アフリカ的な柄、デニムまで、多彩なデザインを発表した。オーバーサイズの白いシャツとブルーの半透明のパンツでスタートした今シーズン。ブルーのスーツ、ブルーの袖無しコートとグリーンのニットスカート。花柄やアフリカンテーストのプリントのミックスコーディネートやデニム。トレンド満載だが、どれもリアルで軽いデイリーウエアに仕上げていた。

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