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2024.11.18
「ジュン アシダ」2025春夏コレクション 上質さを追求しながら快適さや着心地のよさを重視
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「ジュン アシダ(JUN ASHIDA)」は2024年11月14日、東京都渋谷にあるブティック アシダ本店内の「Flair」で2025春夏コレクションを開催した。オートクチュールのサロンショーのような小さな空間で行われた今回。前回に続き、上質さを追求しながら快適さや着心地のよさを重視したコレクションを発表した。また、リゾートウエアの楽しさや自然の造形美、エネルギーも取り入れている。
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自然や未来を感じさせる映像がランウェイに映し出される中、コレクションは自然からインスピレーションを受けたグリーンのワンピースでスタートした。迷彩柄や花柄のデザインはシンプルで都会的なムードを持ち、重さを感じさせない。シワなど布の表情やプリントを活用し、色、素材、造形美で自然を表現したデザインが続いた。
また、海外のリゾート地にある建物の窓やバルコニーからインスパイアされたプリントとクラシカルなスーツの組み合わせや未来を感じさせる連続するプリント。1960年代の宇宙ルックを彷彿とさせるデザイン、オプアート風のプリントを使ったドレスなども、シンプルでナチュラルに仕上げられている。
しかし、それ以上に印象的だったのは軽さやしなやかさだ。クラシックなスーツやビジネスでも通用しそうなアイテムをベースにしつつ、スカートやドレスの中で女性の体がまるで泳いでいるようにも見える。デニムもエレガントで、重さを全く感じさせない。
素材はコットンストレッチなど、快適性を追求したものが中心だ。パンツスーツやジャケットとミニスカートとともに登場したジャケットは、遠目にはオートクチュールコレクションに登場するツイードジャケットのようにエレガントだが、実はチュールレースで作られている。
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会場に映し出される映像や服のプリント、そして造形は、光をまとう自然の造形と人間が一体となるデザインを提案した「タエ アシダ(TAE ASHIDA)」の2025年春夏コレクションを彷彿とさせる。しかし、目の前を歩くモデルたちが着る服をじっくり見ると、グランド ハイアット 東京のような大きな会場では気づかなかった「ジュン アシダ」らしい繊細さや緻密さ、さらに柔らかさやしなやかさ、軽さといった着心地の良さが伝わってくる。
また、イブニングドレスは、アジアやリゾート地を思わせるムードのペイズリー柄や、マグマのような赤、光をまとったかのように輝くドレス、ゴールドのドレスなどが登場。自然のエネルギーを感じさせながらも、セクシーで軽やかに仕上げられている。
自然と未来、リゾートと都会の日常、リアルとファンタジー、「ジュンアシダ」らしさと芦田多恵の個性。コロナ以降、不可欠な要素となっている快適さ(コンフォート)や、デザイナーの原点であるアメリカの美術大学で学んだ「すべての造形は自然の造形から生まれている」という考え方や自然の造形を徹底的に研究し、それをクリエイションにつなげる方法が融合されたコレクション。
芦田は「夏が暑くなり、おしゃれが非現実的になっているので、アーバンリゾート、都会で楽しく快適な夏を過ごしてほしいという思いで作りました」と語った。