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2018.05.22

ミレニアル世代のコミュニティー型店舗へ オンワード樫山の新生「フィールドドリーム」

オンワード樫山が開いた展示会の模様

 オンワード樫山(東京、大澤道雄社長)は、2018年秋に再始動するブランド「フィールドドリーム(Field Dream)」の商品・店舗概要などを明らかにした。“お客様主体の買い物体験ができるブランド”を新コンセプトとし、カスタマイズやデジタル技術など、ミレニアル世代を中心にニーズが高まるコンテンツを盛り込んだ。「ブランドを通じて、新しい買い物体験や、コミュニティーが生まれる場所にしたい」(同社)。初年度は9月の新店舗オープンを皮切りに、SCを主販路として15店舗の出店を計画。期末となる来年2月までの半年間で7億円の売り上げを見込む。

■関連記事:オンワード樫山 「フィールド/ドリーム」を2018秋冬に再始動 ECとの連携強める

 「フィールドドリーム」は、ファミリー向け商品を適正価格で提供するSPAブランドとして運営してきたが、2016春夏に休止。“ジェンダーレス”“カスタマイズ”“コミュニティー”“デジタルコミュニケーション”というミレニアル世代が求める要素を加え、リブランディングした。ショップのコンセプトは、家でもない職場でもない第3の場所“サードプレイス”。「ターゲットは、20代後半から40代のココカナ世代(コ=個人、コ=コミュニティ、カ=家族、ナ=仲間を示す造語)。お客様が自ら商品を選びたくなり、買い物を通じて様々な体験をし、コミュニティー内で共有したくなる、地域に根づいたブランド」(同社)を目指す。ロゴも一新した。

 商品は、年齢や性別を問わずに着用できるカジュアルスタイルが主力。ファミリーでのリンクコーデを想定し、レディス・メンズ・キッズ共通の素材でデザインした商品も置く。カスタマイズ商品へのニーズの高まりを受け、スマートフォンアプリやタブレットを使って色・柄などを選べるスウェットなども販売。サスティナブルなものづくりを目指し、エコファーやリサイクル素材など自然環境に配慮した素材も積極的に採用していく。商品構成は、レディス4%、メンズ3%、キッズと服飾雑貨がそれぞれ15%。中心価格(税別)は、ボトムス5,900円、アウター7,900円、洋品3,900円、服飾雑貨2,900円など。

自然環境に配慮した豊島のオーガニックコットン「オーガビッツ」(下左)、ダウン同様の蓄熱性がある同社の機能素材「エアコンダウン」(下右)などを採用したアイテムも並べる

アプリやタブレットを使ってカスタマイズも楽しめる

 標準面積75坪(約250㎡)の店舗には、ニットやスウェット、デニムなど、商品カテゴリー別に部屋を設ける。性別や年齢ではなく、単品ごとの提案を強め、家族やカップルが同じ売り場で商品を選べる空間づくりを狙った。

 また、店舗中央には、20坪(約66㎡)ほどのコミュニティースペースを設け、“カスタマイズ”“キッズ”“アウトドア”“リメイク”をテーマにした期間限定イベントを開く。現在計画しているのは、国内初の婦人ジーンズメーカー「ベティスミス」(岡山・倉敷)によるジーンズのカスタマイズ、スポーツ玩具を輸入販売するラングスジャパンと提携したキッズ向けプレイスペース、キャンプ・アウトドアブランド「ロゴス」による商品の販売・提案、福井県のメーカーで構成するリメイクブランド「T.K ガーメント サプライ」によるリメイク商品の受注など。子会社オンワードパーソナルスタイルが昨年立ち上げたオーダーメイドスーツの新規事業「カシヤマ ザ・スマートテーラー」の一部取り扱いも計画する。

ポップアップイベントとして、「ベティスミス」(岡山・倉敷)によるジーンズのカスタマイズ受注も行う

 デジタル・ツールを活用したコミュニケーションにも力を入れる。店舗内には、商品検索や、天候や位置情報と連動したスタイリング提案を提供するタッチパネルを設置。無料Wi-Fiを配備し、タブレットやスマートフォンアプリでも同様のサービスを提供する。ビーコンと連動した来店プッシュ通知や、AI(人工知能)を活用した接客サービスの導入も視野に入れており、「昨今アパレル業界で課題となっている販売員不足問題もフォローしていく」という。

 今秋の再スタートに向け、まずは、同社EC「オンワード・クローゼット」のメンバーズ会員(2月時点で204万人)を中心にプロモーションを仕掛けていく。

店内には2~3台のタッチパネルを設置

 

オンワード樫山 公式サイト

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