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2023.10.28
「ユキ トリヰ」が4年ぶりのランウェイショーを開催 テーマは「その日のあなたがハッピーになれる服を」
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「ユキ トリヰ (YUKI TORII )」は2023年10月13日、東京・晴海の同社ショールームで2024春夏コレクションを開催した。4年ぶりのランウェイショーとなった今回。「その日のあなたがハッピーになれる服を」をテーマに、デニムやトロンプルイユ(だまし絵)シリーズなど、52ルックを発表した。
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リリースに「毎日の生活をちょっと立ち止まって。あなたのハッピーを見つけるお手伝いをしたいと思っています。2024年春夏は”自分らしく”をもっとおしたいと。世の中がどんどん変わっていく中で”自分らしく”を大切に」と書いた今シーズン。コレクションはデニムジャケットとスカーフプリントのTシャツ、サイドライン入りのボトムなど、夏らしい爽やかでスポーティーなスタイルからスタートした。
クラシックなツイードジャケットに花を描いたTシャツ。赤いライダースジャケットとビジューやラインをプラスしたデニムのスカート。デザイナーの愛する植物や花を描いたワンピースなど、定番やクラシックアイテムを軽く、フレッシュなムードに仕上げている。好きなものを集めたようなコレクションや、空気のように軽く、リラックスしたアイテムなどが続く。繰り返し使われる、夏の海や空、風や水のような雰囲気の青も服の軽さを更に強調しているように見える。
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また、デジタルではなく、目の前で見ていても最初はライダースジャケットに見えたデザインは、Tシャツの上にライダースジャケットとTシャツを着ている状態をプリントしたトロンプルイユシリーズ。「ファッションは我慢」という言葉もあるが、鳥居ユキのコレクションではその必要はない。暑い夏でもライダースジャケットの気分を楽しむことができる上に、軽く、涼しく着ることができる。ファスナーによって前身頃を花弁のようにゆがませたようなジャケットも、アバンギャルドというより、リラックスした雰囲気。
ラグジュアリーブランドでロゴ入りのキャップやTシャツが定番化する中で、繊細な仕事で白地に白でブランド名を残した白いジャケットやスカートなどもナチュラルなムード。フラワープリントとミリタリーテーストのパンツの組み合わせ、風邪や光を感じさせる、様々なストライプを組み合わせたワンピースなども、リアルでシンプルだ。
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後半に登場した、ビジューをプラスしたシリーズやサークルを描く、ピンクの花のプリント、黒に白のリボンが飛んでいるように見えるカットジャカードのドレスなど、プリントや柄、繊細なテクニックを駆使したフェミニンなアイテムも、重さを全く感じさせない。これまでのコレクションでも繰り返して発表してきた花や植物のプリントを使ったデザインも更に進化している。自然体で、好きなものだけを集めながら、結果的にトレンドを先取りし、時代とともに変化していくデザイン。そのコレクションは年々、若く、軽くなり、透明感を増しているように見える。
「その日のあなたがハッピーになれる服を」というテーマは、デザイナー自身が着たい服、着てもらいたい服であり、女性が快適に過ごせる服だったようだ。鳥居ユキは「コロナの影響でショーをしていませんでしたが、お披露目をしたいと思いました」と話した。
取材・文:樋口真一
Courtesy of YUKI TORII