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2018.05.10

チュチュアンナ アプリ初年度100万ダウンロードへ順調に推移 明治大学との産学連携も

アプリ内の「ストア」(左)と、コーディネート例を多数掲載した「コーデ」

 レッグウエア・インナー企画・販売のチュチュアンナ(本社:大阪、上田利昭社長)は、2017年10月にリリースしたスマートフォンアプリが利用者を順調に増やしている。ダウンロード数は累計85万人(4月13日時点)。アプリを導入した経緯や今後の計画、また、明治大学との産学連携によるマーケティングなどについて同社に話を聞いた。

 

――アプリを導入した経緯について。

 「チュチュアンナ」は、女性への認知はある程度できているが、“認知している”から、さらに、“ファン”になっていただくことが課題だと感じている。今は、お客様がネットとリアルを当たり前のように利用し、双方をシームレスに行き来する時代。アプリを開発したのは、店舗に来てくださっている1,500万人以上のお客様に、当社ともっと活発に接点を持っていただきたい、そのための“入り口”を構築したい、という考えからスタートした。

 もう1つの大きな目的は、お客様と1対1のコミュニケーションを取ること。会員限定のお得な情報や販促情報だけではなく、お客様の誕生日月にポイント特典を贈呈したり、購入履歴を活用したおすすめ情報を提供するなど、お客様1人ひとりに寄り添った情報を提供していくことで、ファン創造につなげていきたいと考えている。

 

――店頭ハウスカード会員と、オンライン会員の統合について。

 アプリのリリースと同時期に統合した。店舗会員の皆様に店頭でアナウンスをしたほか、メールを使い、アプリをリリースする旨や残ポイント状況などを個別にお知らせし、移行を促した。

 

――アプリに会員認証を搭載することにより、会員カード機能の稼働率が高まったと聞いた。

 過去の紙カードや携帯会員の時は、売り上げと顧客の情報がつながっていなかったが、今回はアプリとPOSデータとの連携ができるようになった。今後、さらにデータが蓄積されてくると、お客様1人ひとりに合わせた情報提供ができるようになり、1対1のコミュニケーション構築に貢献すると考えている。

 

――店頭への波及効果またはメリットは?

 店頭への波及効果として、アプリ会員でかつ店頭購入されているお客様は、店舗で購入されている通常のお客様よりも客単価が高い傾向(通常の1・4倍)がわかった。ターゲットとしている若年層顧客を多く獲得できており、またプッシュ通知の閲覧率も高いことから、1対1のコミュニケーションとファンづくりを目的としてスタートさせたメリットを感じている。

 

――売り上げやダウンロード数など今後の数値的な目標は?

 初年度100万ダウンロードを目指している。

アプリ内の「ニュース」コンテンツ。スタイリングなどの読み物系コンテンツも豊富。

――明治大学との産学連携のきっかけは?

 

 社内だけの限定的な見解だけではなく、高度な専門知識を持つ大学などと連携することで、新事業の創出や、事業の改良・改善につなげていきたいと考えていた。小売りに関するマーケティングを専門的に研究している明治大学商学部の菊池一夫教授とは、当社社長の上田(上田利昭氏)が明治大学を卒業したということで、研究のためのインタビューをするため当社に来られたのが最初の出会い。産学連携は当社初の取り組み。

 まず、菊池教授のマーケティングゼミの学生に約4カ月間研究を進めていただいた。スマホ用アプリを10月12日にリリースすることが決定していたので、①アプリのダウンロード数を増やす②稼働率を上げる――という2つの課題を通し、当社のファンを創造するための提案を検討していただくようお願いした。

 マーケティングを体系的に学んでいること、学生という当社のコアターゲットに近い年齢層であるという特性を活かし、理論や定量のアンケートデータをベースにしながら、具現化した提案を実際ビジネスに展開するとどうなるのか、まで考慮して発表をしていただいた。

 2つの課題解決のための提案をお願いしたのだが、ターゲットとする若い女性の消費行動と理論を活かしながら、「擬人化によるファン創造」「共感を活かしたコンテンツや使用レビュー機能」「新コンセプトの業態」「通販サイトの改善」など、アプリにとどまらない提案をしていただいた。また、コストまで検討した提案は、実現可能性が十分にあり、どれも期待をはるかに超える内容だった。

 現在はご提案いただいた内容の実現に向け、社内で動き始めている。明治大学商学部菊池ゼミとの共同研究は、今年も引き続き実施する予定だ。

「チュチュアンナ[tutuanna]」公式サイト 

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