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2023.03.01
「リンシュウ」2023秋冬コレクション テーマは“Love Me Softly,Hug You Lovingly”
デザイナー山地正倫周と山地りえこによる「リンシュウ(RYNSHU)」が2023年2月20日、2023秋冬コレクションを発表した。テーマは“Love Me Softly,Hug You Lovingly”。
リリースに「ありのままのあなたを、揺るぎない愛で包む、エレガントに、そして優しく、心に灯(あか)りをともす」など、思いをつづった今回。
会場となったのは、JFW ジャパン・クリエーション(JFW JAPAN CREATION=JFW JC)などの展示会場として使われ、かつてはパリのビッグメゾンがメガショーの会場に選んだこともある東京・有楽町の東京国際フォーラムホール。近未来のワンシーンや夢の中を思わせる、暗闇に包まれた黒の空間。心臓の鼓動の高鳴りのような重低音が鳴り響く。
愛や燃える炎、情熱を象徴するような赤い光を背に受けて、現れたモデルたちが着ているのはシースルーのシルクオーガンジーを凹凸に重ねたという、たくさんの花のようなモチーフを付けた白のドレスやコート、リトルドレス。カジュアルなダウンを思わせるサークルやひょうたん型のキルティングジャケットやコート。
永遠のテーマである黒を使ったベロア調のキルティングを使ったジャケット、コート。赤いライトに照らされて、黒のあでやかさと光沢感が強調される。黒の下に隠された赤も着物の裏地を見せるように袖やスリットからのぞくことで、愛や力を感じさせる。白と黒のミニドレスは、リサイクルペットボトルから作られたジャカード生地を使っているという。
白と黒。赤と黒。そして光。色を絞ることでイメージが更に強調される。ブリティッシュウールのチェックをバイアスに使ったパンツや変化をプラスするフィットとフレア、女性の肩の美しさを見せるドレスをはじめ、美しいドレスなどの黒のドレスシリーズなどもアクセントになっている。
また、日本刀のようなシャープで無駄のないジャケットや細身のパンツ、スカートのようなボトムスなどにも、花を加えた白、黒のキルティング、チェックなど、レディースと同じ色や素材、モチーフを使っている。コレクションはデザイナーの思いを象徴するような赤の光とシンディ・ローパーの曲「トゥルー・カラーズ」でフィナーレを迎えた。
コロナウイルス感染症以降も不可欠となった快適さや機能性、男性的な独自のスタイルと女性らしい新しい感性、2020年代のテーマであるサステナブルの流れを感じさせる花のモチーフやリサイクル素材。そして、今シーズン幾つかのブランドでも見られたノスタルジーや夢の世界、私小説のような思いの強さやエネルギーなど、様々な要素が交差するコレクションとデザイン。
今回発表されたコレクションは東京先行で公開され、コレクション映像は、パリファッションウィーク初日の2月27日に現地プレスよりデジタルシェアされた。
取材・文:樋口真一
Courtesy of RYNSHU