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2022.07.12
「ヴァレンティノ」がローマのスペイン広場で2022秋冬オートクチュールコレクション「VALENTINO THE BEGINNING」を発表
「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は伊時間2022年7月8日(金)、ローマのスペイン広場にて、2022秋冬オートクチュールコレクション“VALENTINO THE BEGINNING”を発表した。 “始まり”というコレクション名が表すように、1959年に「ヴァレンティノ」の創業デザイナー、ヴァレンティノ・ガラヴァーニが最初にアトリエを開いたグレゴリアーナ通りをランウェイの一部として使用。イギリスの歌手、ソングライター、レコードプロデューサーであるラビリンスがショーのためにパフォーマンスを行う中、トリニタ・デイ・モンティからスペイン広場へと続く階段をモデルたちが降りていく。ちなみにピエールパオロ・ピッチョーリが「ヴァレンティノ」で過ごした23 年間でスペイン広場にてショーを行ったのは初めてだとか。
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ラビリンス(Photo credit: Valentino/GettyImages)
ピエールパオロは、このコレクションについての手紙の中で、「個人的なストーリー、ヴァレンティノとの対話、私の中に彼がどれほどいて、私はそれに対してどれほどお返しをすることができるのか」と自問し、「ヴァレンティノの歴史は絶対的な愛と、ここで働くすべての人の想いに支えられています」と語っている。そして、「整列した一続きの時間が崩れ、新しい何かが存在し、息づき、脈打つその瞬間、はじまりと終わりは同時に起こります。これは Beginning(はじまり)であり、これが私たちなのです」と締めくくっている。
そんなショーの幕開けは「ロッソ・ヴァレンティノ」と呼ばれる「赤」の、3Dのタフタのバラで飾られたミニドレス。そしてこの3Dローズはブラトップとのセットアップ、ドレスの胸元を飾るディテール、そしてメンズのジャンプスーツやブルゾン、ブートニエールにまで様々に登場する。さらにドレスのデコルテに使われたり、ウエスト周りのアクセントになる大きなリボンや、バルーンスカートやオーガンジーのレイヤードフリルやシェル、大きなパフスリーブなどにも立体的な要素が表れる。またフェザーやフリンジ使いのドレスなど動きのあるアイテムも多い。
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その一方で、マーメイドドレスやコクーンシルエットのコート、シルバーのスパンコールで飾られたコンシャスなドレスなどシャープなラインが映えるルックもある。さらに透け素材のドレスやメッシュ、または大胆なカットアウトやスリットなど肌を露出するアイテムも。これまでもピエールパオロ・ピッチョーリはしばしばダイバーシティモデルを起用してはいたが、今回もこれらの様々なテイストのルックを(多分プロのモデルではない)多様な人たちが着て登場していた。
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ショーの最後にはアトリエの職人たちがランウェイに登場し、ピエルパオロと共にスタンディングオベーションに応えていたのが印象的。美しき「ヴァレンティノ」のクチュールは、これらの職人たちの手によって「始まる」のだ。
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来場セレブリティ
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田中 美貴
大学卒業後、雑誌編集者として女性誌、男性ファッション誌等にたずさった後、イタリアへ。現在ミラノ在住。ファッションを中心に、カルチャー、旅、食、デザイン&インテリアなどの記事を有名紙誌、WEB媒体に寄稿。apparel-web.comでは、コレクション取材歴約15年の経験を活かし、メンズ、ウイメンズのミラノコレクションのハイライト記事やインタビュー等を担当。 TV、広告などの撮影コーディネーションや、イタリアにおける日本企業のイベントのオーガナイズやPR、企業カタログ作成やプレスリリースの翻訳なども行う。 副業はベリーダンサー、ベリーダンス講師。