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2019.09.04
「エズミ」が2020春夏ランウェイショーを開催 “建築”をインスピレーションに紡いだコレクション
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2019年9月3日、東京都渋谷区の会場で、「エズミ(EZUMi)」が2020春夏ウィメンズコレクションを発表した。
「コスチューム ナショナル(COSTUME NATIONAL)」のウィメンズ クリエイティブ・ディレクターに就任し、2020年4月から着用されるJALの新制服のデザインも手がけるデザイナーの江角泰俊氏。多種多様な表現を求められる中で、一度フラットな気持ちで自身のブランドと向き合ったという今シーズンは、過去にも多く刺激を受けてきた“建築”にインスピレーションを得た。特に、アテネオリンピックのスタジアムやニューヨークのワールド・トレード・センター駅を手がけたスペインの建築家、サンティアゴ・カラトラバの真っ白で構築的な建造物からヒントを得たという。自然界から見つけ出した形や構造に基づき生み出されるカラトラバ氏の建築物は、骨格がむき出しで人間の体のようだと評されることも多い。そんな、インパクトのある構造に面白みを見出した江角氏は、様々な素材を自由に組み合わせることによって新しいシルエットを構築した。
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印象的なのはプリーツとノンプリーツの掛け合わせや、パターン・素材がミックスされたり重ねられたりすることで生まれる立体感。また、ハンサムなセットアップに合わせた胸元が大きく開いたブラウスやアシンメトリーなトップスでも構築的なシルエットを演出した。「橋のようなバランス感覚を表現したかった」という、シャーリングやベルトなどのディテールも随所に見られ、エレガントの中にスポーティーを忍ばせた。
グラフィカルな3種のチェックパターンは、マジェンタとやグリーンなど、鮮やかな色合いが用いられた。このグラフィカルな色彩感覚は、色とりどりな花々を用いた押し花で骨格標本を表現した多田明日香氏の作品にインスピレーションを得たという。
自身のブランド以外での活動、そして「エズミ」の海外展開を経てより一層の活躍が期待される江角氏。「現在でも香港や中国、イタリア、ロシアなどで展開されているが、日本と海外で受け入れられるデザインの違いなども見えてきた。まだまだ伸びていけると思うので、今後も他の国にも進出していきたい」と語った。
取材・文:アパレルウェブ編集部
撮影:kon