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2018.06.14

【渡辺・香取共同CEOに聞く グラッドの成長戦略は?㊤】 在庫ソリューションを拡充、中国向け越境ECも視野

 フラッシュセールサイトを運営するGLADD(グラッド)は、会員数260万人、売上高100億円を突破し、7月には競合のギルト・グループを買収することになるなど、国内のフラッシュセール市場をけん引している。足もとではアパレルブランドなどの在庫消化のソリューションメニューを拡充しており、今期は越境ECも視野に入れる。昨年1月に共同COOに、同11月には共同CEOに就任したマーケティング担当の渡辺サブリナ氏(=写真)とMD担当の香取純一氏に、グラッドの成長戦略などについて聞いた。 
 
 ――昨年11月に共同CEOに就任した。
 
 渡辺「マーケティングとMDだけでなく、会社全体を見るようになり、各部署のオペレーションはもちろん、KPIの作り方まで深堀りして見てきた。中でもチーム編成や組織のあり方について手を入れた。ベンチャーとしての組織から中・大規模に向けての組織のあり方を模索中だ。将来の成長を見据え、データ戦略室や経営企画室を独立させてCEO直属の部署にしたり、以前からあった採用推進室を強化した。また、部門最適から全体最適へ舵を切った。人数の多い制作部隊は細かいチーム体制を組んできたが、全体のオペレーションを高めることを重視して管理体制を変え、各チームの役割とミッションを明確化した。例えば、MDは各担当者がファッションやホーム分野などをまたがって見ていたが、カテゴリー別のチームに切り替えた」
 
 ――カテゴリー別のMD体制にした理由は。
 
 香取「ファッションとホーム分野などカテゴリーによって出身やマインドが異なり、最初は同じマインドのメンバーがチームを組むことで成長のスピードにつなげていたが、次のフェーズとして、各カテゴリーの課題を解決するのに複数カテゴリーを担当していると対応が遅れてしまうこともあるため、カテゴリーで分けて課題解決を迅速に行える体制とした」
 
 ――ミッションの明確化については。
 
 渡辺「少ない人数のときは一人ひとりが目的を十分に把握しながら仕事をしていたが、規模が大きくなると仕事の中身は同じでもスタッフによって目的の理解が異なることもあり、言語化する必要があった。言語化したミッションは新しい採用ページにも掲載した」
 
 ――主力のファッションECの事業環境は。
 
 香取「大きな企業がより大きくなっている。ゾゾやアマゾンの規模が拡大して影響力が高まっている。アパレル各社は利益率の高い自社ECに力を注ぎ成長してきている。越境ECは、ファッション領域ではまだインパクトのある企業は出てきていないが、世界的にはアパレルECはグローバルに動き始めている」
 
 ――アパレル企業との取り引きで変化は。
 
 香取「サンプル商品を送ってもらう従来のアナログな部分がデジタルに変わってきている。自社開発した『グラドア』というベンダー向けポータルサイトの機能を追加し、従来はメールにエクセルを付けて送ってもらっていたものをウェブ化する。在庫確保の仕方も変化してきており、越境ECもこれまでより進出しやすい環境になっている」
 
 ――在庫確保の仕方とは。
 
 香取「従来、新しい商材はデータ化されているが、当社が販売する少し前の商品はデータがないことも珍しくなかった。今はブランドさんのデータ整備が進み、サンプルを用意してもらう必要がなくなっている。在庫連携して販売することもできるようになった」
 
 ――ブランドにとっての在庫ソリューション機能を拡充している。
 
 香取「2月初めに複数のファッションブランドが合同で行ったファミリーセールを共同運営した。当社は売り上げを狙うのではなく、入場者管理やプロモーション、制作物などを担当した。これまでの合同ファミリーセールは駅前でチラシを配ったり、自社サイトにバナーを掲載して来場を促していたようだ」
 
 ――顧客管理や集客がやりやすくなる。
 
 香取「各社のユーザー情報が一元化されていなかったため、来場者には当社サイトの『グラッド』に会員登録してもらうことでファミリーセールのデータベース管理ができるようになり、次回以降は当社から案内を送れる。今回はエリアや属性を絞って『グラッド』会員も招待した」
 
 ――成果は。
 
 香取「取引先ブランドとの関係性が強化できたことや、これまで取り引きのなかったブランドさんとも接点が持てた。また、紙ベースだった会員管理を当社が担うことで、次回以降、参加ブランドが増えたり、ブランドが入れ替わっても新客開拓につながる。オンラインでもオフラインでも一括でデータ管理してセールを開催できるのは当社の強みになる」
 
 ――次の在庫ソリューションメニューは。
 
 香取「越境ECに注目している。中国では『VIP』や『ジンドン』『カオラ』などがあるが、日本企業が中国のECプラットフォームに出るには知識や語学、システム面などハードルがいくつもあり、当社がお手伝いできることが結構ある」
 
 ――越境ECを行うときの仕組みは。
 
 香取「日本と中国で別々に事業展開するのではなく、ブランドさんに預けてもらった商品は国内でも売れるし、そのまま中国などの海外向けにも販売できる環境を整えるのが現時点ではベストな仕組みだと思う」
 
 渡辺「『グラッド』として、まずは中国で販売できる事業モデルを考えている。越境ECといってもいろいろな形があるため調査している」
 
 香取「複数の中国企業と話をしている。マーケットプレイスに出るか、パートナー企業と組んで自社サイトを開設するのかも含めて検討中で、夏以降をメドにスタートしたい。単純に中国に出ても難しいため、パートナーシップを結んだ上で販促や上位表示などを優先的に実施してもらえるようにする必要がある。中国側もこれまでメインだったキッズやコスメからファッションにシフトしていきたい気持ちが強く、ファッションの得意な当社と組むことは意味があると思う」(つづく)
 
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