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2021.01.21

良品計画 環境配慮型商品を強化、価格改定やサブスクも実施

 良品計画は1月15日より、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営の一環として、環境配慮型の新商品の発売をはじめ、新生活向けの商材を中心とした価格改定や、家具類の月額定額利用サービスの本格展開を開始した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、変化する消費環境も踏まえた内容で提案していく。
 
 まずは、商品開発の基本原則としている「素材の選択」「工程の点検」「包材の簡略化」に沿った新たな商品を発売。主なものでは、シーツなどの製造過程において発生する端材や残反を原料に使った再生コットンファブリックシリーズがあり、寝具カバーや、スリッパ、タオルなどを展開。

 そして、脱プラスチックの観点から、包装材をパーツの一部として開発した段ボール収納については、包材の簡略化や資材の無駄を無くすという目的から展開する。

 同じく、エイジングスキンケア商品についてもパッケージボトルのプラスチック使用量の削減に取り組み、従来品との比較で約20%の使用量を削減している。

 その上で、1月15日よりサスティナブルな生活雑貨商品について価格改定を実施。主な改定では、「ポリエステル綿麻混・ソフトボックス・長方形・中」を従来の1190円から890円に、「アルミ洗濯用ハンガー・3本組」を同290円から250円に、「アクリルネックレス・ピアスケース・見開きタイプ」を同2490円から1990円にそれぞれ値下げしている。まずは、52品目について、おおむね2~3割をめどに値下げ。引き続き、3月にも価格改定を行う予定で、その後も秋に実施することを視野に入れている。

 また、新サービスとしては、家具類の月額定額利用サービスの本格展開も実施。昨今はコロナの影響で働き方が変化して在宅ワークなどが広がる中で、昨年7月より約3カ月間のトライアルで、「無印良品」と傘下ブランドの「IDEE(イデー)」において家具・インテリア用品を6種のセットの定額サービスを展開。今回はその中でもセットではなく単品での利用を希望する声があったことを受けて、家具単品を対象に新たに開始する。

 年単位の契約で1年から4年までのプランがそれぞれあり、期間満了後には解約・返却か契約延長、または、買い取りも選ぶことができる仕組み。これにより、暮らしを変えるタイミングで家具の処分に悩むことなく、廃棄物も削減。また、返却された家具については廃棄をせずにパーツ交換やメンテナンスを施して、改めて同サービスでの再利用や中古品として販売することを検討している。

 主な対象商品では、「脚付マットレス・高密度ポケットコイル・スモール」が4年契約時の月額定額料金で同560円(販売価格合計2万7900円)、「折りたたみテーブル」が同400円(同1万9900円)、「スタッキングシェルフセット・5段×3列・オーク材」が同810円(同3万9900円)。申し込みは、昨年の7店舗から182店舗に拡大している。

 当日行った発表会では松崎社長(写真)が、創業当初より、環境、社会に配慮してきたものづくりの方針を改めて解説するとともに、コロナがもたらした環境の変化にも触れて、「終息しないことは絶対にないので、希望を持って暮らすように自分の暮らしを整えてもらい、我々もそれに向けて支援していきたい」と語った。

 なお、2月1日付けで、ESG経営や社会課題への取り組みなどの情報を取りまとめて幅広く発信する部署として、「広報ESG推進部」を設置していく。

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