NEWS
2019.07.04
メルローズの「サードマガジン」 EC主軸で顧客開拓進展、ショールーミングストアで安心感、ポップアップも視野に
「ティアラ」や「マルティニーク」などを展開するアパレル企業のメルローズは、昨年9月にスタートしたECが主軸のセレクトショップ「サードマガジン」で顧客開拓が進んでいるようだ。
「サードマガジン」は、同一化が進む大人向けのファッションに物足りなさを感じている30代後半~40代女性がメインターゲットで、サイト開設とほぼ同時に、東京・代官山にショールーミングストアをオープン(画像)。ユーザーは広い空間でくつろぎながら全アイテム全サイズを自由に試着でき、気に入った商品はオンライン上で決済して後日自宅に届けてもらうか、気になるアイテムをウェブ上でクリッピングし自宅でゆっくり検討することもできる。
店内には経験豊富なスタッフが常駐し、手持ちの服とのアレンジ方法やライフスタイルに合わせたコーデ提案など、パーソナルスタイリストとしての役割を担っている。
通販サイトもコーデに特化したサイト構成とし、オリジナリティーを発揮できる着こなしをウェブ上で数多く提案している。
同社がターゲットにする大人の女性は初回購入のハードルが高く、とくにECチャネルだけのショップは実態が分からないため敬遠されがちだが、「サードマガジン」はショールーミングストアを構え、スタイリストなども出入りしてSNSなどでブランドを発信してくれているほか、ファッション誌などにもブランドが登場することで、安心して買い物ができているようだ。また、商品に納得してもらえるよう、通販であってもクオリティーを維持できる価格帯で勝負している。
立ち上がりの9月から3カ月程度は、「安心できるサイトなのか消費者が確認作業をしている印象だった」(同社)ようで、当初は都内在住のユーザーが来店するなどして商品を購入するケースが目立ったが、今年に入ってからは地方のユーザーからの注文も増え、リピーターが増加しているという。
商品構成は7割がオリジナルブランドの「サードマガジン」、2割が幅広いテイストからセレクトしたインポート商品、1割は古着を扱う。古着は1点物のため、ささげ業務の効率は悪いが、消費者の反応がいいようだ。「サードマガジン」は大人女性向けのきれいめな服が多く、古着をミックスすることでアクセントになり、個性も出るという。
インポート商品については、大手セレクトショップなどで定番的に扱うブランドは展開せず、「サードマガジン」にしかないようなブランド、商品を古着と同じ感覚でセレクトしている。
現状、認知拡大に伴う安心感も手伝って売り上げが伸びてきているため、次のフェーズではポップアップストアの展開を視野に入れており、商業施設などからの誘致もきているようだ。
なお、今秋冬シーズンではブランド1周年を記念してスタイリストの安西こずえさんが手がけるブランド「ミコモリ」や、メンズブランド「ネクサスセブン」とのダブルネームコラボラインなどを展開。「ミコモリ」とのコラボでは、大判ストールがエレガントなホワイトコートや多様な着こなしを楽しめるセットアップパンツスーツ、インポート生地を採用してラフになり過ぎず品よく仕上がるシャツワンピースとバッグなどを提案する。