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2019.01.17

しまむらの店頭取り置き専用アプリ 服や肌着・寝具の300点で始動、自宅で“しまパト”可能に

 カジュアル衣料大手のしまむらは1月7日、気になる商品を最寄りの実店舗に取り置きできるスマホアプリ「しまコレ」をスタートした(画像)。消費者は同アプリを通じて新作などをチェックし、在庫を確保した上で来店できるようになる。現時点で決済や自宅への商品発送といったEC機能はないが、同社はECチャネルの開拓に乗り出していることから、将来的に実装される可能性はありそうだ。

 「しまコレ」は、服や肌着、寝具といった各カテゴリーの代表的なアイテムと新作の300アイテムでスタートし、利用状況を見ながら商品の入れ替えや拡充を図る。

 取り置き注文はしまむら全店(約1400店舗)が対象。利用者は気になる商品のカラーとサイズ、数量、希望の店舗を選択するだけで、店舗に商品が到着するとプッシュ通知が届く。店頭ではアプリ画面を見せて商品を受け取るが、試着して気に入らなければ買わなくてもいい。

 取り置きできるのは希望店舗に商品が届いてから1週間で、来店しなければ自動的にキャンセル扱いとなり、当該店でそのまま販売するという。

 これまで、しまむらでは来店客の欲しい商品が欠品している場合、他店の在庫を確保しており、取り寄せまでに1週間から10日程度かかっていた。スマホアプリでは、取り置き注文が入るとメーカーや問屋といったサプライヤーがしまむらの物流センターに取り置き商品を発送し、センターから各店舗に自社の物流網で届ける仕組みとし、取り寄せにかかる日数は若干短縮されて約1週間となる。

 アプリのダウンロード、年会費はともに無料。面倒な会員登録も必要なく、しまむらではホームページやLINE、新聞折り込みチラシなどでアプリを告知して利用を促す。

 競合のファストファッション各社がEC展開を加速する中、しまむらの商品は仕入れが中心で、かつ多品種小ロットの品ぞろえもあってEC参入には消極的だった。ただ、ヒット商品の不在などから2018年2月期の連結業績が9年振りの減収(前年比0・1%減)だったほか、衣料品のECや古着、フリマアプリなどのCtoC型ビジネスが拡大していることを受け、「店頭小売りだけを見ていればいい時代ではなくなった」(北島常好社長)と判断。ECチャネルの開拓に着手する考えを明らかにしていた。

 初のEC展開としては、昨年7月にファッション通販サイト「ゾゾタウン」に出店。プライベートブランドの「クロッシーシリーズ」やトレンドのファッションアイテムを販売しているほか、最近ではキッズ用のアイテムも投入し始めるなど、品ぞろえを増やしている。

 現状、他の総合系ECモールへの出店も模索しているのに加え、自社ECの構築も視野にあり、実店舗のない地域や店舗に来店できない消費者などに向けた売り場として活用したい考えで、自社ECが整備されれば、「しまコレ」の機能追加もありそうだ。

 

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