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2025.09.10
「ディフォー」2026春夏ショーを開催 構造的なアプローチ”を念頭に置いたコレクション


「ディフォー(DDDD」が2026春夏コレクションを、2025年9月9日に発表した。クリエイティブディレクターのSHINJI、デザイナーのSHIGEKI、パルクールアーティストとしても活躍するアートディレクターのZENのトリオによるブランドで、「ディフォー」のDDDDとは、“Dimensional(次元)”“Daring(大胆)”“Deviant(逸脱)”“Dazzle(眩しい)”の頭文字から構成。ブランドコンセプトに“Dress Up Lazy(怠けたドレスアップ)”を掲げ、「きれいなものとカジュアルをミックスさせ、リラックスと緊張感を合わせたスタイル」を追求する。


今回のコレクションでは“構造的なアプローチ”を念頭に、少し何かを変えるだけで大きく違ったものになるようなスタイルを提案。脚が4本になったパンツ、袖が4つ付いたシャツやコートなど2つのピースを組み合わせたようなものや、前後ろが反対になったようなアイテムが各所に登場した。これらのパターンは、折り紙で手を動かしながら様々に試行錯誤しトライアルを重ねる中で出来上がった、冒険的かつ偶発的なものだったとか。ちなみに4つの脚や袖は前後どちら側も実際に履くことができ、2ウェイで楽しむことも可能だ。さらに素材をラップしてつなぎ合わせたようなラグビーシャツも登場する。
また白地部分を外に出して大きくロールアップされたショーツやパンツ、シャツの袖を長めにブルゾンの袖口から出したコーディネートなど、強調されたディテールも各所に見られる。ベルトホールをあえてセンターではなく下方に開けたベルトや、三脚などの重しにする砂袋からの連想で作られた、二股に分かれたようなバッグ、岩についている藤壺のモチーフで作られたシルバーのピンズなど、アクセサリー類もユニークかつ実験的なものが揃っていた。


「せっかくのショーをより楽しんでいただきたい」という考えから、ショーの後にはモデルがランウェイに並んで、近くからもピースを見られるような演出に。ひねりを利かせたデザインの仕組みを解明しつつ、そのモノづくりの質の良さにも触れられる機会となった。
取材・文:田中美貴
Courtesy of DDDD