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2018.05.08
「ロエベ クラフト プライズ2018」発表 日本人陶芸家・桑田卓郎氏が特別賞
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(左から)ジョナサン・アンダーソン、ジェニファー・リー、女優のヘレン・ミレン
「ロエベ(LOEWE)」は、2018年度の「ロエベ クラフト プライズ」の受賞者を発表。優勝作品に、ジェニファー・リー(Jennifer Lee)氏の「Pale, shadowed speckled traces, fading elipse, bronze specks, tilted shelf(2017)」、特別賞に日本の陶芸家・桑田卓郎氏の「Tea Bowl(2017)」とフランスのテキスタイル・アーティスト シモーヌ・フェルパン氏(Simone Pheulpin)の「Croissance XL(XL Growth)」をそれぞれ選出した。
同プライズは、現代の優秀かつ美的価値のある斬新なクラフツマンシップの発掘と顕彰を目的とし、クリエイティブ・ディレクターのジョナサン・アンダーソンが発案したもの。2016年にロエベ財団が立ち上げ、毎年実施している。18歳以上の工芸関連の仕事に従事している人であれば誰でも応募でき、今年度は、専門家からなる選考委員が75カ国以上の国の職人が制作した1,900近い応募作品の中から、30人のファイナリストを選出した。
ジョナサン・アンダーソンは、優勝者のリー氏に対し、「僕にとって“フォームのランドマーク”。審査員たちはその古典主義とタイムレスな永遠性を賞賛している」と話した。
桑田氏については、桑田氏の持つエナジーや作品に見られる自己表現を評価。「彼は典型的で伝統的なセラミックを逸脱し、新しい世界を指し示した」とコメント。フェルパン氏については、「彼女は、私たちが考えるテキスタイルの定義を覆した。彼女はリサイクルの素材をとても珍しい作品に昇華させた」と述べた。
英ロンドンで行われた授賞式では、英国の国民的女優ヘレン・ミレンがプレゼンターとして出席。優勝者のリー氏にシルバーのトロフィーと5万ユーロの賞金を授与した。
受賞者を含むファイナリスト30人の作品は5月4日から6月17日、「ロエベクラフトプライズ2018エキシビション」として、ロンドンのデザイン・ミュージアムで展示。セラミックやジュエリー、テキスタイル、ウッドワーク、グラス、メタルワーク、家具、ペーパークラフト、ラッカーなど多様なジャンルの作品を披露する。
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ジェニファー・リー氏と受賞作品
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(写真左から)特別賞の吉田卓郎氏とシモーヌ・フェルパン氏
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■ロエベ クラフト プライズ 2018 エキシビション
場所:The Design Museum, London 224-238 Kensington High St Kensington, London W8 6AG
会期:2018年5月4日~6月17日
入場料:無料