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2019.02.07
【2019秋冬NYコレ ハイライト1】NYメンズで存在感増す日本人デザイナーと日本企業
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米ニューヨークでは、2019年2月4日メンズのコレクションを皮切りに、2019秋冬ファッションウィークが開幕した。メンズが4日から6日までの3日間、そしてレディースが7日から13日までというスケジュールだ。
会場はチェルシーピアにあるスタジオ59、そしてトライベッカにあるスプリングスタジオがメインとなる。今季はニューヨークにしてはめずらしいほど暖かい15度の天候でスタートした。コレクションからハイライトを紹介していこう。
トッド スナイダー(TODD SNYDER)
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初日に「トッド スナイダー」はチェルシーピアにあるスタジオでランウェイを開催。「イースト・エンド・ボーイズ」をテーマにして、得意とするプレップスタイルに、ロンドンのイーストエンドの若者たちが持つ反抗的なムードを取りいれてみせた。
ファーストルックは白黒のチェッカーボードのセーターに、ハイウエストのオフィサーパンツ、そして羽織ったコーデュロイのダウンジャケットはビッグシルエットだ。プレイドのスーツやベルベットのディナージャケットといった、きっちりとテーラードされたアイテムと、ストリートを感じさせるビッグなアウターの組み合わせを提案した。さらにスクールボーイセーターや革のトップコート、ニュースボーイキャップ など、70年代風のアイテムが味つけとなっている。
また、今回はデサントとのコラボレーションも登場して、「デサント オルテライン(DESCENTE ALLTERRAIN)」のテクノロジーを使った素材によるダウンジャケット、セーター、ニットスーツ、トレンチなどのアイテムが披露された。カラーパレットは豊かで、ブラウンからオリーブ、ピンク、ブルーと、深みのある色合いを展開。プレップの基調に、ロンドンの不良っぽさを巧みに取りいれたコレクションとなった。
N.ハリウッド(N.HOOLYWOOD)
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尾花大輔が手がける「N.ハリウッド」は、5日に2019秋冬コレクションを発表した。ファーストルックは黒の革ジャンと細身のパンツという組み合わせで、この数シーズン続いていた、過剰なほどのオーバーサイズはなりをひそめて、シルエットはややタイトになった。
ビッグシルエットも、ゆったりとリラックスしたワイドパンツやカラフルなプリントのロングコート、ビッグなロゴセーターなどに健在で、「N.ハリウッド」が得意とするアメリカのワークウェアをアップデートした世界を披露した。
キーピースは、狼や雪の結晶などの自然モチーフを編み込んだビッグなセーターで、鮮やかなカラーと、極端に長い袖がアイキャッチとなっていた。
ランドロード ニューヨーク(LANDLORD NEW YORK)
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川西遼平が手がける「ランドロード ニューヨーク」は7回目となるコレクションをランウェイで発表した。“キャンパス・エデュケイテッド・カジュアルクローズ”と題して、幼稚園から大学院までの学生スタイルをモチーフにした世界を打ち出した。制服の生地から作ったコーチジャケットや、ウールのスーツ地を使ったスエットパンツといった、大人のアカデミックなスタイルに、子どものオモチャからインスパイアされたという遊び心のあるカラーとシェイプを加えてみせた。
キーピースは、ネオンカラーのレザーコートで、美しくテーラードされていながら、色彩はビビッドだ。スタイリングも挑発的で、下着のアンダーパンツを着ただけのアンバランスなコーディネイトもあれば、ラストルックに至ってはノーパンツ。独特のユーモアが溢れる生き生きとしたステージとなった。
ロバート ゲラー(ROBERT GELLER)
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「ロバート ゲラー」のランウェイは、月のイメージを一面にプリントしたコートのルックから幕開けした。“月までの登山”と題されたコレクションは、彼がインスパイアされたというウールを幾重にも巻いたチベットの登山着から発想を得て、レイヤードが多く登場。今回のチャレンジは、日本のチームとウール、ナイロン、コットンをひとつの生地として染めることで、その成果で微妙な色彩と豊かな風合いが実現したという。
特筆すべきは、「ルル・レモン」とのコラボレーションで、7ルックを発表。スポーツウエアを街着に落とし込んでみせた。色彩はダークグレーを基調にして、ニュアンスのあるグレイブラウン、ブルーグレーなどが多く展開され、そこにネオンイエローやフューシャ、ラズベリーなどのスポーティブなカラーが差しこまれる。シルエットはトップスもパンツもすっきりと細身にカットされ、ニュアンスのある都会的なアスレイジャースタイルを打ち出した。
オーバーコート(OVERCOAT)
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「大丸製作所」2が手がける「オーバーコート」は、今季正式にニューヨーク ファッションウィークのカレンダーに正式に取りあげられ、メディアに広くアピールをした。
レトロスペクティブに、今までのアートピースも見せながら、同時に新作も披露するという展示会で、コートだけではなく、シャツやスーツといったアイテムに幅を広げている同ブランドの世界を見せた。
インナーに白いシャツと、レッドのレディースのパンツを組みあわせて、ネイビーのコートを合わせた新作が、ことに目を引いた。
取材・文:黒部エリ