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2019.01.03

米IT大手、東にシフト=受け入れ先は賛否両論

アマゾンが第2本社を設置するロングアイランドシティー地区=ニューヨーク市クイーンズ区、2018年12月30日アマゾンが第2本社を設置するロングアイランドシティー地区=ニューヨーク市クイーンズ区、2018年12月30日 【ニューヨーク時事】アマゾン・ドット・コムなどの米IT大手が、米東海岸での新拠点開設を次々と明らかにしている。近年の急成長の結果、創業地の西海岸だけでは人材確保が頭打ちになっているためだ。受け入れ先では大企業の進出をめぐり、期待と不安が入り交じっている。
 高層ビルが林立するニューヨーク(NY)市の中心地マンハッタンをイースト川の対岸に望む同市クイーンズ区ロングアイランドシティー地区。アマゾンは2018年11月、この地と首都ワシントン近郊のバージニア州アーリントンに第2本社を分割して設置すると発表した。同業のグーグルもマンハッタンに新拠点を開設する計画を公表している。
 アマゾンによれば、投資や雇用創出を通じ、今後20年間に2都市で132億ドル(約1兆4100億円)超の税収増が見込まれる。受け入れ先では「高賃金の新規雇用が数万人分創出される」(デブラシオNY市長)と期待の声が上がる。アマゾンは、税額控除や補助金など20億ドル超の優遇策を2都市で受ける見通しだ。
 クイーンズ区に住むアン・ポズロズニさんは「アマゾンの進出で地域が発展するのはいいことだ」としながらも、同社が2万5000人以上を雇用すると約束していることについて「どれだけ地元から雇用するか疑わしい」とも話す。受け入れ先の近隣に住む別の女性は「住宅などのインフラも整っていないし、既に裕福な企業を税金を使って優遇するのはおかしい」と首をかしげる。
 米シンクタンクのブルッキングス研究所は、ハイテク産業の発達の結果、「高い技能を持つ人材を確保できる大都市が繁栄し、小さな自治体は衰退してきた」と指摘。IT大手が進出する大都市と、それ以外の地域との経済格差がさらに広がる恐れもある。 
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