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2019.01.03

巨大IT、狭まる包囲網=課税やデータ利用で逆風

欧州連合(EU)欧州議会の意見聴取に応じる米フェイスブックのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)(右)=2018年5月22日、ベルギー・ブリュッセル(AFP時事)欧州連合(EU)欧州議会の意見聴取に応じる米フェイスブックのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)(右)=2018年5月22日、ベルギー・ブリュッセル(AFP時事) 【シリコンバレー、ブリュッセル、ロンドン時事】アマゾン・ドット・コムやグーグルなど「プラットフォーマー」と呼ばれる米国の巨大IT企業に対し、各国・地域の当局が包囲網を狭めている。欧州では、主要拠点を自国に置かずにインターネットでサービスを展開するIT企業への独自課税を模索する動きが台頭。収益の源泉となる利用者データの扱いをめぐっても逆風が吹き荒れている。
 「税収基盤がむしばまれており、かつてなく巨大なブラックホールになっている」。欧州連合(EU)のモスコビシ欧州委員は2018年3月、加盟各国が一定規模以上のIT企業からその国での売上高の3%の税金を徴収できる「デジタルサービス税」の導入を提案した。
 背景には、ネット通販やデジタル広告で巨額の収益を上げる米IT大手が、事業規模に見合う納税をしていないとの不満がある。ただ、税制優遇でIT企業を誘致してきたアイルランドなどの反対で議論は難航し、推進派はしびれを切らし始めた。EU離脱を控えた英国は20年4月にIT大手の売上高に対する課税を導入することを決定。スペインやイタリアなど10カ国以上が独自課税を検討している。
 課税以上に痛手となりそうなのが個人情報保護の厳格化だ。グーグルやフェイスブックは、無料サービスと引き換えに、交流サイト(SNS)のつながりや検索履歴などの情報を収集し、利用者の嗜好(しこう)に沿った広告を表示している。
 しかし、フェイスブックでは、アプリ開発者を通じて英選挙コンサルティング会社に利用者データが流出していたことが18年春に発覚。その後もIT企業の個人情報に対する規範意識の低さを露呈する問題が次々と明るみに出た。
 IT大手を狙い撃ちするようにEUは18年5月、個人情報の収集・利用に明示的な同意を義務付けた「一般データ保護規則(GDPR)」を施行。欧米の世論は、自分が知らないうちに情報を抜き取られ商業利用されていることに不信感を募らせており、米議会からも「利用者に明示的な同意の機会を与えることが必要だ」との声が強まっている。 
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