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2022.11.09
「ルルムウ」”夢の夜明け”をテーマに2023春夏コレクションを発表
東佳苗がデザインする「ルルムウ(rurumu:)」が2022年11月8日、東京・代官山で2023春夏コレクションを発表した。”夢の夜明け”をテーマにした今回。夢や夢遊病、白昼夢、逃避夢など、夢と現実の間を歩くようなイメージをショー形式のインスタレーションで表現した。
たくさんの雪だるまのようなオブジェが置かれた会場。登場したのは様々な素材やテクニック、編み地のニットとニットをドッキングさせたドレス、キラキラ光るニットなど。ニットやレース、フリル、リボン、透ける素材、素材やテクニック、アイテムをつなぎ合わせたようなデザインが続く。
まるで、バッグに人形を付けるように、異素材を組み合わせたドレスにニットで作られた人形やおもちゃなどが付いたものもある。様々なテクニックや素材をつなぐやり方は、ニットデザイナーやニット産地のオリジナルブランドなどでもみられるものだが、夢の中のようにということからか、テクニックよりもイメージを優先させているためか、重さを感じさせない。アバンギャルドでありながら、軽くリアルに見える。
ヘアメイクでもコレクションの夢の中のようなムードを強調した。髪にはスプレーで壁に落書きをしたようなハートや十字架が描かれ、モデルたちの顔もスマートフォンのようにデコられている。
また、独特の世界観が前面に打ち出されているが、今回は夢ということからデザインやアイテムは、ネグリジェやナイトガウンがベースになっていて、寝ることもできる。ハンドメイドの1点ものも多かった、という。
夢の中の非現実的な世界を描いたサルバドール・ダリの記憶の固執をはじめとするシュールレアリスムの作品のように、スウィート・パンクと日本のカワイイカルチャー、ゴスロリ、アバンギャルドとリアルクローズなど、様々な要素が共存するコレクション。
取材・撮影・文:樋口真一